転職してから10ヶ月の経過報告
転職してから今月で10ヶ月が経ちました。この10ヶ月間、組織や仕事というものについて経験や考えてきたことから多くの収穫を得てきました。会社で働く上で有益な収穫物も多く得てきたため、ここに記していこうと思います。
カルチャーの重要性
私が入社した会社は、カルチャーを強く意識する会社で、社員であればミッション・ビジョンやコアバリューなどを必ず覚えているぐらいに浸透しています。カルチャーには、世の中に価値を届けていくために会社としてどうなるべきかだけでなく、社員一人一人がどのように目標を掲げて行動していくべきかが規定されています。 さらに、カルチャーを規定をするだけでなく、浸透させていくための工夫が凝らされています。 転職活動時期に様々な企業のカルチャーを見てきましたが、ミッション・ビジョンとなるものは掲げられていても行動規範まで考えられている企業は多くありませんでした。
ミッション・ビジョンは、世の中にどのような価値を提供していくのかと、そのために自分達がどうなるべきかを掲げるためのものであり、社会において組織の存在意義を形作るものです。存在意義がなければ、自分達のビジネスを成長させることだけに意識が向けられ、過度なコストカットや適切でない価格設定など、利益重視の行動を取ってしまいがちになります。そのため、ミッション・ビジョンを定義することで、組織が社会の中で何を目標とするのかを明確にし、目標に合理性と道徳心を持って追求していかなければなりません。
ミッション・ビジョンは定義するだけではなく、実現させていくためのコアバリューと言われるような行動規範を示す必要があります。コアバリューは単純で具体的にするほど、社員への理解度も得られ組織への浸透もしやすくなります。
ミッション・ビジョン、コアバリューが揃って初めて、世の中へ価値を届けるための準備ができます。準備の後は、組織に浸透させるための施策が必要であることを忘れないでください。
会社内における役割
転職後、役割に閉じない働き方を意識してきました。一応、求人はポジションごとに分けられていたので特定のポジションに対して応募しましが、入社後は複数ポジションを兼任しています。
役割に閉じない働き方は、提供する価値に大きな影響を与えます。
例えば、とあるレストランにシェフとソムリエがいるとします。シェフがその日にソムリエが仕入れるワインに気にせず、自分の料理にのみに集中していると、料理とワインの相性まで意識が届いてないことになります。結果として、1つ1つの仕事は最高なのに顧客体験は最悪ということになりかねません。 しかし、シェフとソムリエがレストラン全体の動きを見ながら仕事をしていれば、シェフはソムリエの仕入れるワインに合わせて料理を考慮できますし、ソムリエは料理に合うワインを考えて仕入れることができるかもしれません。それぞれが組織全体を見て、自分の振る舞いを考えていけば顧客体験を向上させることにもつながるでしょう。
私の場合は、入社後に所属したチームで人員が足りていないポジションいくつかあり、チームのボトルネックとなっていました。そのため、当初割り当てられていたポジションに集中するだけでなく、ボトルネックをカバーするように立ち回ることで組織の生産性に寄与しています。
権限の譲渡
権限があるのは、安全性を担保するためでもあります。しかし、権限を持った人が安全に権限を行使するところまでは安全性は担保されていません。個人的な意見ですが、安全に権限を行使できるかは責任感の強さによって変わると思っています。
責任の強さは能動的か受動的かで変わります。理想の権限譲渡は、譲渡される側が必要性を感じ自ら権限を受け取りに行くことだと考えています。必要性を感じ自ら受け取りに行く行動には、当事者意識が介在しています。また、権限を持つということは特定の業務に対する責任が介在するため、当事者意識を持って能動的に権限を受け取ることは責任感を促すことになると考えています。
もし、受動的に権限を持ってしまうと当事者意識が介在しないまま権限が行使されるかもしれません。そのため、安全に業務を行使するという権限の本来の意味が失われる可能性があります。
権限は容易に扱えてしまうものではありますが、権限を譲渡するプロセスに理解を持ち慎重さも持たなければならないことを覚えておいてください。